週末ファーマーズ倶楽部ものがたり

きっかけはベンチャーキャピタルから


2009年夏、以前勤めていた大手ベンチャーキャピタルから連絡がありました。
農業に興味があるんだったら、近所の農業生産法人の支援をしてくれないかと。
ベンチャーキャピタルとして出資や支援はできないものの、
前向きに頑張っている農家なので、いろいろと相談にのって欲しいとのことでした。
”アミューズメントファーム”を創りたい!という想いがベースにあり
観光農園として事業を展開する方向に舵を切りたい、これが農家の希望です。

たくさんの企業から提携話の企画書も届いていたので見せていただきましたが
残念ながらピンとくる企画書はありません。
数千万円の投資をして、おしゃれなクラブハウスを作り、サポート付きの市民農園を作る。
投資リスクと事業リスクは農家側に全て押し付けるような企画です。
それ以前にビジネスの企画が安易過ぎます。

そのほかにも、活発にいろいろな動きがありましたが、どれも、、、

それでも、興味をもってくれる方達はたくさんいたので、
2010年1月には、異業種交流的に40名ほどを集めて農場で交流会を開催。
残念ながら、その場では盛り上がっても、具体的な動きには繋がりません。
みなさん、興味はあるので、事業が動き出せば関わりたいという気持ちはあるのでしょうが
自らが率先して事業を作っていくということはしません。
というよりも本業があるので、そこまで対応できません。
当然のことだと思います。

危険な投資は避けたい、安易なビジネスモデルにものならい。
待っていても、良い提案は舞い込んではこない。
自分たちで考えて、自分たちで一歩踏み出すしかない。

だったら始めましょうか

自分も参加するから週末ファーマーズ倶楽部を始めませんか?
隣接する広大な耕作放棄地。
クラブハウスなし、会費なし。
農業をしたい人たちが週末に自由に集まる場。

これはビジネスではないです。
でも、動き始めれば何かが起こるかもしれません。

2010年3月13日(土曜日)
3名がトラクターの前に集まり
週末ファーマーズ倶楽部が活動開始。
農地として何年も使われていなかった土地をトラクターで掘り起こしました。
こんな土地で、まともに収穫できるのか?
こんな広大な土地、3人しかいないけど大丈夫なのか?
全く先の見えないスタートでした。

ツイッターで情報発信


週末ファーマーズ倶楽部を運営していくための人手は明らかに足りません。
とはいえ、大々的に募集をして、たくさん人が押し寄せても対応は出来ないのも事実。
しばらく、数人で活動しながら、少しづつ人が増えれば良いかなと思っていました。

まずは、週末ファーマーズ倶楽部の活動内容をリアルタイムで写真付きツイート。
ツイッターでの情報発信に留めていました。
いかにも、楽しく週末農業してるぜ!って感じです。

その結果、1ヶ月後には、ツイッターで問い合わせが!
近所のご家族もメンバーに加わりました。

そして、スタートして2ヶ月後の5月には、
同様にツイッターを通じて、
なんと、7月に開催予定の商店会のイベントに出店依頼が!
まだ、収穫の見込みも立たない状況ですが、すぐに快諾です。

5月は一番心地良い季節なので、ハンモックを設置して休憩用に。

6月になると、南青山にあるデザイン事務所のデザイナーさんから
またまた、ツイッターでコンタクト。
リアルとバーチャルの農園コラボをしたいとの企画の提案です。
その後も、会社の方やそのご家族含めて、多い時は30名ほどで農場に遊びに来てくれています。週末ファーマーズ倶楽部主催の手前味噌作りにも参加してもらいました。

7月の商店会のイベントへの出店では、
ジャガイモ、トマト、トウモロコシ、キュウリ、ナス、かぼちゃ、スイカなど
十分な収穫があり、午前中だけで5万円ほどの売り上げになりました。
開店前の準備時間からお客さんが押し寄せ、休む間がないほどの盛況でした。

ピザ窯とビーパル

8月には里山活動が認められて、里山保全を推進するNPOより
ピザ窯のキットを贈呈されました。
真夏の暑い中、軽量耐火ブロックを積み上げ、モルタルで固めて。

フォークリフトで移動できるようにしたピザ窯。
軽トラに乗せて出張も可能です。
この写真、ビーパルにも掲載されました!

行きたい時だけ、会費なし週末ファーマーズ倶楽部

週末ファマーズ倶楽部の会費は無料です。
参加は自由、時間が合うときに、来たいときに参加すればOK。
年に1回でも、何年か空白期間があっても全く問題なしです。
これだったら市民農園よりも参加しやすく負担にはなりません。